伊藤哲寛

精神科医療を必要としている人々が急増している。 精神病床数は多いが、病床の偏在があり、地域に適正に配置されていない。 一般病院/公的病院の精神病床は減少しているが、精神科病院の病床は減っていない。 精神科病院では一般病院に比較して外来患者数が少なく、入院中心の医療が続いている。 社会的入院が多く平均在院日数が著しく長い。しかも、大きな地域間格差がある。 一般科の医療や欧米の精神科医療と比較して、精神病床に係わる専門職が著しく少ない。 多数の任意入院患者が閉鎖病棟で治療を受けている。 退院請求、処遇改善請求権が十分活用されていない。 措置入院の運用に無視できない地域差がある。 精神科救急医療がうまく動いていない。 精神科の入院医療費が低く抑えられている。 障害者自立支援法施行後の精神障害者ための社会基盤整備の状況が明らかでない。